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若いツバメ、ウェディング・ドレス仕立てのアジサイ、ねむの木

ツバメの写真は今年もずいぶん撮ったが、光の加減なのか、先日は不思議な質感で撮れた。

zushi no wakai tsubame

うしろ向きでどうも失礼。ツバメに向かって「ちょっとこっちを向いて」とはいえないので、やむをえず向こうむきのまま撮った。

こういう絹のような翼のぬめりが撮れたことなど、いままでなかった。写真を撮ったときもそういう気がしたのだが、改めて拡大してみても、これは今年生まれた若いツバメではないかという気がする。

しかし、「若いツバメをくわえ込む」というような意味での「ツバメ」はどこからきたのだろう。ひょっとしたら、こういう翼の質感のせいだったり、はしないか……。

若いツバメが巣立つ季節は、アジサイの季節でもある。近ごろはひとくちにアジサイといってもさまざまな種類があって、毎年、こんなアジサイはあったっけ、と首をかしげている。

ajisai

ajisai

渦を巻くような萼片(=がくへん。花びらのように見える部分)が面白い。つぎのものもやはり萼片が複雑になっているところが変わっている。

ajisai

パートナーはこのアジサイを撮りながら、「ウェディング・ドレス」といっていたが、そういう清潔感のある風情だった。

最後は、この数年見ていなかったねむの木の花。

nemunoki

nemunoki

風の強い日で、毛玉のような花だから、なかなか静止してくれず、こんなぐあいに靡いてしまった写真ばかり撮ることになった。

nemunoki

いまは雨が多くて歩きにくいのだが、梅雨の晴れ間でないと見られないものも多いから、靴をどろどろにされても、また出かけることになるだろう。

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テーマ : 散歩 - ジャンル : その他

泰山木(タイサンボク)を見下ろす、とまではいかなかったが

先日の逗子-鎌倉散歩では、いくつか泰山木を見た。なによりも嬉しかったのは、逗子の商店街で見かけたこの株。写真はいずれもクリックで拡大可能。

taisanboku

タイサンボクは、ふつうは泰山木という字をあてるが、大山木と書くこともあるくらいで、高木としても大きく育つほうであるため、間近に花を観察するなどということはなかなかできない。

taisanboku
横浜・山下公園のタイサンボク。これくらいの高さの株が多い。

やはり高く育つユリノキ同様、ぜひいちど、目近く花を見たいと思っていたが、ようやく念願かなった。

taisanboku

taisanboku
やっと、花のなかをはっきりと見ることができた。中心の黄色い部分は「心皮」(しんぴ)と呼ぶのだそうだ。花が落ちたあと、この部分が成長して果実の皮に変化すると辞書にある。

タイサンボクを含むモクレン属は英語でマグノリアと総称されるが、アメリカはアーカンソー州には、マグノリアという市があるのだという。タイサンボクすなわちMagnolia grandiflora(「大きな花のマグノリア」という意味のように見える)は、ここが原産地だったために、タイサンボクの学名の前半をとって市の名前にしたのだとか。きっと、タイサンボクがたくさん自生しているのだろう。ちょっと見てみたい気がする。

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われわれを見張る街中の魔物たち

昨六月二十二日は、逗子駅を出発点に、猿畠山法性寺(えんぱくざんほっしょうじ)、名越切通し、大町、材木座海岸、光明寺、八幡宮というコースを歩いた。

まずは逗子の木材店の店頭で見た飾り。

exotica tiki statue

わたしはエキゾティカと呼ばれるジャンルの音楽をよく聴くのだが、そういうもののジャケットには、よくこういう像が使われている。たとえばこういうものだ。

les baxter cd cover
レス・バクスターのCD「Exotic Mood」のカヴァー・デザイン


これは「ティキ・トーテム」と呼ぶらしい。ポリネシアの魔除けなのだろう。

たまたまこの木材店のご主人が表に出ていらしたので、お話を伺ったところ、知り合いの人が作ったのをもらったのだという。丸太にチョークで下書きをすると、一気にチェーンソーで彫り上げるのだそうな。

exotica tiki statue

わたしは、おお、ティキだ、と喜んだが、ご主人のお話では、子どもたちは怖がってしまうのだとか。子どもが好きなのは、このティキのとなりに置かれていた、こちらのほう。

kame mokuzou

たしかに、得体の知れない魔除けの魔物よりは、亀のほうに子どもは親しみを感じるだろう。『ガメラ』シリーズの次回作は、このティキ風亀の像からはじめるというのはいかがでしょう>金子修介監督?

昨日は妙に魔物に縁がある日だった。つぎは法性寺からさらに登った山上にあるお堂の屋根の魔除け。

hossyouji mayoke

hossyouji mayoke

ここまではいい。二つ目の立体のほうは、ちょっと『ゴジラvsビオランテ』のような雰囲気無きにしも非ずだが、どちらも蓮の花をモティーフにしたのだろう。わからないのは、つぎのものだ、

hossyouji mayoke

これはなんだろう? 角度を変えると……

hossyouji mayoke

なにやら、獅子舞の獅子のような姿をしていることがわかったが、でも、やはり、なんだかよくわからない。なにか架空の魔物なのだろう。

最後は、鎌倉は大町のさるお宅の庭で見かけたもの。

ishi no kewpie

むろん、キューピーなのだろう。でも、石でできていて、四体もあると、なんとなく魔物じみて見えてくる。こういうものだって、やはり、魔除けの一種なのではないだろうか。

ishi no kewpie

われわれを監視しているのは、監視カメラばかりではないのだ、などとくだらないことを考えた。

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樹の上を歩むもの──本牧散歩どん詰まり篇

本牧埠頭はきれいにwalk on byすることはできず、D埠頭が突き出ているために、先端まで行ったら、あとは同じ道を引き返すしかない。まあ、おかげで、どこまでも歩いてしまうということはなく、切り上げ時が他動的に決まって、ある意味でありがたかったが。

cement factory

そのルートもそろそろどん詰まりというところにセメント工場があり、その下の古びた上屋を撮ろうとカメラを向けたときに、鳥の姿に気づいた。

onaga

onaga

この鳥は遠めにもわかりやすい。尾が長いのでオナガ。わかりやすすぎて面白みがないが。

かつては公園などでも見かけたが、どういうわけか、この数年、ただの一度も遭遇しなかった。まるで、セキレイの町場への進出に押されたかのように、いなくなってしまった。いったいどうしたのかと思っていたら、こんなところにいたのか!

onaga

onaga

海づり公園までいってターンし、埠頭の入口まで戻ると、もう工場や倉庫の並ぶインダストリアル地帯を歩く気はなくなり、本牧の通りに出ようと脇道に入ってしばらく歩いたら、また木の上に目がいった。

honmoku kinobori neko

honmoku kinobori neko

honmoku kinobori neko

このネコはしきりになにかを気にしていた。しかし、視線の先になにがあるのかは確認できなかった。豚はおだてると木に登るのかもしれないが、ネコはおだてても木に登ることはない。

子どものころ飼っていたネコのなかには、一匹だけ、なんとなく木登り衝動を抑えられなかったように見えたネコがいたが、それは例外。たいていは、恐怖のために木に登ってしまう。そして、その恐怖の原因は、ふつうはネコである。

honmoku kinobori neko

どういう原因で木に登ったにせよ、バックが苦手なうえに、頭からダイヴするのも不得手なので、木に登ってしまったネコは、しばしば降りられなくなる。このネコもちょっと心配ではあったが、垂直に幹を伝ってではなく、枝から倉庫のようなものの屋根に飛び移れそうだったので、そのまま立ち去ることにした。結局、このネコがなにを怖がり、どうやって木から降りたかはいまだに知らない。

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神奈川臨海鉄道本牧線の旅、とはいかなかったが──続・日活アクション的横浜インダストリアル散歩

子どものころ、世界は中東地図のように複雑であり、危険な火種を抱えていた。

自分の学区を一歩離れて、隣の学区に入ると、首筋がチリチリするような緊張感を味わった。四囲に油断なく目を配り、危険な要素が出現しないか、嫌な目つきでこっちを見ている奴はいないか、つねに確認を怠らなかった。

学区の外でありながら、紛争の起こらない微妙な地域も存在した。どの学区からも離れていて、だれのテリトリーでもない場所である。

ひとつは「猿島」という無人島。無人島だから、学区とは縁がないうえ、渡し舟の船着場はわれわれのテリトリーに隣接していた。

もうひとつは、われわれのテリトリーに接してはいるが、やはりどこの学校の学区でもない国鉄横須賀駅と、隣接する「臨海公園」(現・ヴェルニー公園)、さらにそのとなりの浦賀造船(大東亜戦争中に空母信濃をつくった巨大なガントリー・クレーンがまだ稼働していた)や東京靴下といった工場群。

どちらにもときおり出かけていった。猿島に行く船は数十円の料金を払わなければならず、そうそうはいけなかったが、国鉄横須賀駅周辺はむろんタダ、たんにたどり着くまでに時間がかかるだけだった。

横須賀駅に行くと、われわれはかならず、駅舎の端から出て、臨海公園の脇を抜け、浦賀造船、東京靴下へと延びる引込線の上を歩いた。むろん、バランスをとりながら、細い線路の上を歩くゲームだ。

めったになかったが、引込線で列車に遭遇したら、線路にガムを置き、通り過ぎると、ガムがどこまで延びていったかを確認し、笑いあった。

たぶん、いまでも倉庫上屋や引込線を好ましいものに感じる理由の半分は、そうした子どものころの記憶だろう。もう半分は前回の「D突堤を目指せ!──日活アクション的横浜インダストリアル散歩」に書いたように、子どものころに見たアクション映画だろう。

埠頭の引込線が登場する映画はいくつかあったが、もっとも印象的だったのは、1972年早春、池袋文芸座地下の鈴木清順シネマテークで見た『東京流れ者』(この映画についてはべつのブログの「東京流れ者 by 渡哲也 (OST 『東京流れ者』より その1)」という記事に書いた)だった。この映画の冒頭は、埠頭の引込線で渡哲也が敵のギャングにリンチにされるシーンで、たぶん、撮影は芝浦でおこなわれたのだろう。

tokyo drifter screen shot

tokyo drifter screen shot

tokyo drifter screen shot
以上三葉は鈴木清順監督『東京流れ者』のアヴァン・タイトル・シークェンスより。

横浜の港の引込線がもっとも印象的に使われていたのは、蔵原惟善監督、石原裕次郎、北原美枝主演の『俺は待ってるぜ』だ。この映画の裕次郎は、横浜税関に程近い引込線(現在、赤レンガ倉庫があるあたりだろう)のすぐそばで、小さなレストランを営んでいるという設定だった。

ore ha matteruze

ore ha matteruze
この映画の主要な舞台となるレストランの正面に引込線があり、汽車(!)が走り抜ける。

ore ha matteruze
タイトル・シークェンスが終わり、石原裕次郎がレストランから出てきたショットでは、背後に横浜税関が見える。

ore ha matteruze

ore ha matteruze

同じ石原裕次郎主演の映画ではもうひとつ、『赤いハンカチ』の冒頭でも、横浜の引込線が使われていた。刑事に扮した裕次郎と二谷英明が、麻薬の運び屋である榎木兵衛を追跡して、深夜のヤードを走りまわるところを舛田利雄監督はダイナミックに捉えていた(『赤いハンカチ』については、べつのブログで記事にした)。

かつては、横浜の本町のはずれはもう港湾施設だったので、繁華街のすぐ近くに引込線があったのだが、その区域は再開発され、横浜博覧会の会場となり、「みなとみらい」という不思議な空間として再生された。

一部に線路が残され、いかにも横浜らしい遊歩道の彩りとなっているが、つまりは飾りにすぎず、ただの鉄棒であり、線路ではない。山下公園の高架はすでになく、税関の周辺にわずかに残された高架は、線路は撤去され、ちょっとだけ眺望のいい遊歩道として再利用されている。(以下の写真はいずれもクリックで拡大可能)

yokohama zeikan
横浜税関。道路に背を向け、海にファサードを向けて建っている。その手前、写真真ん中あたりから左へと高架が走っているが(かつては桜木町駅と山下埠頭をつないでいた)、もはや鉄路はなく、コンクリートの遊歩道になっている。


たとえば、みなとみらいの「ドック・ヤード」、すなわちかつてのドライ・ドックを多目的広場として再生した施設も悪くはない。面白い試みだと思う。だが、産業施設は「遺構」ではなく、現役で活用されているもののほうがはるかに魅力的な相貌をもっている。

ということで、前回につづく本牧散歩、今回は引込線である。

鉄道輸送廃れたりとはいえ、本牧にはまだ引込線があるだろうと思っていたし、じっさい、それはちゃんとあった。だが、そのありようはやや意外なものだった。

線路を探しているわたしの目にまず飛び込んだのは、これだった。

honmoku futou eki

神奈川臨海鉄道? 本牧埠頭駅などと、引込線に駅があり、名前がついていたのには驚いた。あとで調べてみたら、ちゃんとオフィシャル・ウェブ・サイトがあった。「カナリン」というのだ。きっと鉄系の人たちは、この略称を使っているにちがいない!

「当社は、昭和38年6月1日 京浜工業地帯の鉄道貨物輸送を行うため、日本国有鉄道、神奈川県、川崎市及び関係会社の出資あるいは用地の提供等により第3セクター方式で設立され、昭和39年3月 塩浜操駅(現川崎貨物駅)に接続する水江線、千鳥線及び浮島線の営業を開始しました」

ふーん、そうだったのか。昭和38年といえば1963年、まもなく『赤いハンカチ』がつくられようというころ、カナリンはおそらくJRから独立して(経営合理化のためだろう)、一般市民が乗らない路線の運行を引き継いだのだ。

honmoku futou eki

honmoku futou eki

honmoku futou eki

路線は二つあり、ひとつは鶴見・川崎地区、もうひとつが、JR根岸駅と本牧埠頭を結ぶこの本牧線だという。

そうと知っては捨て置くわけにもいかない。いつになるかわからないが、鶴見川崎の路線も歩いてみるつもりだ。

honmoku futou eki

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