スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

昭和戦前古建築散歩 悪魔と天使の家――某氏宅(上野)

今日はさっとポジフィルムを見て、これにしようと手短に決めた。

さっそくファサード全景、のようなもの。

mr ct's facade

一読三嘆、ではない、一瞥三嘆、無茶苦茶に面白い意匠だなあ、と思った。

関東大震災後に建てられた木造建築には、こういう「二階半」構造がたくさんある。三階にすると建築申請が面倒になるが、屋根裏部屋をつけるのなら、二階建てという建前で押し通せた、といった趣旨のことを読んだ記憶がある。

mr ct's closer

その場合、しばしばマンサード(またはフランス式にマンサール)という駒形(将棋の駒のような五角形のこと)の屋根にし、そこにドーマー・ウィンドウという出窓をつける形式が好まれた。

上野にあるこの某氏宅は、そのヴァリエーションと見ていいのだと思う。たんに屋根裏部分を駒形ではなく、かまぼこ型にしただけである。だが、この模様はどうだろう? わたしにはいたって東洋的な意匠に感じられる。そのあたりを拡大してみよう。

mr ct's attic

うーん……屋根裏部分は東洋的だが、二階の角にあるのはどうも悪魔のマスクに見える。それとも、魔物か? なんであれ、これは西洋的意匠だ。

そして、この建物のもっとも目立つ装飾はといえば……

mr ct's angel

これはなんだろう? 意味を与えずに、素直に見れば、「少年」というべきなのだろう。だが、二階角のマスクが悪魔なら、これは天使ではないだろうか?

角かどにおかれる魔物は、日本の鬼瓦と同じく、魔除けである。だから、常識的イコノロジーの範疇におさまる。だが、胸につけたエンブレムのような、この天使のごとき意匠はなんなのだろう?

どんな建物にもなにかの主張があり、とりわけファサードは雄弁なものだ。しかし、小規模な個人の住宅(ないしは店舗兼住宅)で、これほど魅惑的な謎を湛えたものを、わたしはほかに知らない。

いま思えば、勇気をふるって、この家の方にお話を伺っておくべきだった。だが、わたしは人見知りをするたちで、あのときはそそくさと2カット撮っただけだった。年をとってすこし図々しくなったので、いまなら「ちょっとものをおたずねしますが」といえそうな気がする。

いや、でも、あれから四半世紀、まだこの家はあるのだろうか? 散歩の虫がチラッと動く。
スポンサーサイト

テーマ : 戦前の建築 - ジャンル : その他

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー) URL

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
プロフィール

Good Times

Author:Good Times

カウンター
RSSリンクの表示
QRコード
QRコード
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

リンク
このブログをリンクに追加する
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。