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鎌倉・大仏坂体育館

鎌倉は小さな町で、もともと大規模な西洋建築が少ないため、近代建築を趣味とする人間の目を楽しませるのは、主として商店建築か住宅だ。この面では神奈川県内でもっとも充実しているのではないだろうか。

住宅や商店ではなく、それなりに規模の大きな近代建築というと、長谷の大仏坂トンネルの手前にある「大仏坂体育館」ぐらいではないだろうか。

kamakura hase daibutsuzaka taiikukan

それなりの規模があるといっても、普通の住宅よりは大きいといった程度で、「体育館」と名乗るのはちょっと苦しい。ここでできるスポーツは、柔道などの武道か卓球ぐらいだろう。ダンス・スタジオにも使えるかもしれない。

玄関の上には、金属製の、扁額というにはあまりにも今風のものがかかっている。

kamakura hase daibutsuzaka taiikukan

「清?霑萬戸」と書いてあるのだと思う。二番目の文字は「露」と読みたくなるが、となりの「霑」の雨垂れとちがいすぎるので、なにか別の字だろう。

この建物はもともと水道のポンプ場だったのだという。だから、清いなにかがあらゆる家をうるおす(霑=「てん」はうるおすの意)、という意味の言葉と考えられる。清いなんなのだ?

中途半端な高さなのは、ポンプを収容する必要から決定したものだろう。裏口にもその痕跡がある。

kamakura hase daibutsuzaka taiikukan

この中途半端な高さの階段は何を意味するのか? たぶん、ポンプなどの機械群の周囲をめぐるように、メインテナンス用のキャットウォークがあり、その高さに合わせたから、裏口のドアが奇妙なところに取り付けられたのだと想像する。

kamakura hase daibutsuzaka taiikukan
裏口の丸窓。昔の建築はこういうところを装飾的にするから、見る楽しみがある。

kamakura hase daibutsuzaka taiikukan
まったく引きがないので、側面はこれが精一杯だった。

大きさが中途半端だし、場所も長谷の駅からやや離れていて、しかも中間に大仏があって、狭い歩道が人で渋滞するような場所だから、人が集まるには不向きな建物だ。ポンプ場としての役割を終えてから、小さな体育館として再生されただけでも幸運だったのかもしれない。

しかし、新しいものはいくらでもつくれるが、古いものはつくることができず、ただ古くなるのを待つしかない。できれば、なにか再利用の道を見つけて、外壁を残してほしいものだ。窓がアルミサッシュになってしまったために、古建築としての味わいにマイナス点がついたが、それでもやはり、幾星霜を経たスクラッチ・タイルの味わいは捨てがたい。

kamakura hase daibutsuzaka taiikukan
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テーマ : 戦前の建築 - ジャンル : その他

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